『おとわっか』って、昔のインターネットから脈々と受け継がれてきた、アングラの笑いをとるための、著作権違反MAD動画の流れの到達点なんだよな。
それはあくまで、ネットのアングラという、本来は公衆に堂々と触れられるべきではない場所で展開するもの。
もっとも、完全オープンなインターネットでアングラというのも奇妙な話ではあるが……。
いまで言うと、ダークウェブとか、そういったものがあるが、90年代当時のインターネット黎明期では、表のインターネットで堂々とやられていた。
独特の隠語や、まわりくどい方法で隠したりはするけど、語れば語るほどヤバいなーという話やら、噂やらがいろいろある。
例の、ネットランナーで記事書いてた金髪評論家の人ならいろいろ知ってるんじゃなかろうか?(笑)
「初心者です! フォトショください!」
みたいな書き込みが専用のアングラ掲示板であったりする。
それに対して、掲示板の住人は、ウィルス詰め合わせexeを教えてあげたり、優しく罵声をかけてあげたりと、人情味にあふれたなまあたたかい方々ばかりだった。
そんなところだから、著作権みたいな、表街道の遵法精神(コンプライアンス)なんてなきに等しい。
彼らが自称初心者にエサを与えないのも、べつに法律を守りたいためではない。
彼らの好んだネタはだいたいきまっている。
不謹慎ネタだ。
たとえば、「○○大震災は笑った!」だの、オウム真理教関係のネタだの、とにかく人間の尊厳をふみにじって笑いをとるスタンスである。
そう、ヤンキーやチンピラによくある暴力的・侮辱的な笑いに他ならない。
ヤンキー・チンピラのおままごとを、インターネットのオタクがやりたがるのだ。
ニコニコ動画の、おそらく主要顧客(笑)である、「淫夢」も、もともとはそのアングラの笑いの流れにすぎない。
それが先鋭化したものが、「なんJ」であり、「ハセカラ」である。
『おとわっか』も、それなりに消臭はされているものの、本質が「淫夢」つまりアングラの笑いであることには変わりがない。
もっと言えば、自分が二次創作者として関わっているけものフレンズで、かつてネットで流行したミームも、アングラの笑いの影響が多分にある。
「IQが溶けるアニメ」「(アライグマは)害獣3000円」みたいなネタは、まさに対象をブン殴って笑いをとるものだ。
インターネットの、ニコニコ動画や、Twitterには、いまだにそういったアングラの笑いが大好きな手合いばかりだ。
そして、ニコニコ動画の運営や責任者こそが、よりによって、そのアングラの笑いが大好きな手合いだったりする。
本来ならば、ニコニコ動画は、アングラの笑いとは手を切って、「淫夢」のような「例のアレ」動画はすべて一掃して、コンプライアンスをきっちり守ったコンテンツ者がむくわれるようなサイトに脱皮しなければならなかった。
それが表街道で商売するときの、最低限の仁義だろう。
いわば、ニコニコ動画は、ネットのチンピラ相手の商売をしてたノリで、カタギ相手と商売をして、何度も事故を起こしているということだ。
そして、これからも、事故を起こし続けるだろう。
三つ子の魂百まで、といったところ。
追記(2022/0609)
ニコニコ代表栗田氏の「伝説になったんだよ」に賛否。削除MADの賞賛は罪か?
https://togetter.com/li/1897736
おまけ
別にこれだけが理由じゃないけど、いくら動画をこれからやっていこうと思っても、あそこでやりたいとは、ちょっと思えないんだよね。
ずんだもんも悪い方向にキャラ付けされてるとしか思えないし。
あのよろしくない文化をプラスに変えていけないもんでしょうかね。
アングラ文化ならきっと別のところが(それこそダークウェブとかで)引き受けてくれますよ。
今回はじめて代表のアカウントのTL見たんですが、正直絶句しました。
ここと何かやろうとする人は、自分のコンテンツが淫夢動画に使われることを覚悟した方がいいと思います。