思い返してみて、思い当たったのが、「帝国」と「蛮族」。

自分たちを「中華帝国」と認め、キッチリと城郭で線引きをして、その外にいる周辺諸国・諸民族を「蕃国・蛮族」と呼んだ。

自分たちが強大な武力を持っていたときは、「蕃国・蛮族」は粛々と従い、奴隷に甘んじることもあった。

だが、その武力は、内訌に内訌を重ね、やがて衰える。

それにひきかえ、「蕃国・蛮族」がたくましく、しなやかに、成長していく。

いつしか「蕃国・蛮族」は自分たちの武力の方が勝っていることに気付き、「中華帝国」に陸続と侵入していく。

そして、いままでやられたことをたっぷりと、心行くまでやり返す。

そうしていつしか、「中華帝国」は名前だけに残り、その中身はかつて「蕃国・蛮族」であった者たちによって占められていく。

もはや真実に純粋な「中華帝国」の者は消えてしまった。

やがてかつて「蕃国・蛮族」であった者たちが、「中華帝国」の名前を利用して、あらたに城郭をもってキッチリと線引きをして、外にいる者たちを「蕃国・蛮族」と呼ぶ。

そして、歴史は繰り返される。