私の生涯は「出発まで」もなく、さうしてすでに終つたと、今は感ぜられてならない。古の山河にひとり還つてゆくだけである。私はもう死んだ者として、あはれな日本の美しさのほかのことは、これから一行も書かうとは思はない。
— 川端康成「島木健作追悼」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E7%AB%AF%E5%BA%B7%E6%88%90#%E6%88%A6%E6%99%82%E4%B8%8B%E3%81%A8%E6%95%97%E6%88%A6
わかる。
私の生涯は「出発まで」もなく、さうしてすでに終つたと、今は感ぜられてならない。古の山河にひとり還つてゆくだけである。私はもう死んだ者として、あはれな日本の美しさのほかのことは、これから一行も書かうとは思はない。
— 川端康成「島木健作追悼」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E7%AB%AF%E5%BA%B7%E6%88%90#%E6%88%A6%E6%99%82%E4%B8%8B%E3%81%A8%E6%95%97%E6%88%A6
わかる。
妖刀村正がトピックにありますが。
19世紀末、モモタローのお話が海外で紹介されるようになると、なぜかかれの刀がムラマサになっておったのです。ちなみにモモタローのステータスは「リトル・ローニン」。敵はオーガの王でありますから、いろいろ面白そうではあります。テキストは1897年韻文版から。 pic.twitter.com/L8z7B6e7ZX— 西洋魔術博物館 (@MuseeMagica) October 6, 2021
「貴様、その剣は……」
オーガの王が最後に見たのは、まぎれもない、あの忌まわしき剣であった。
「わかるか」
その男はニヤリと笑った。
穢らわしき餓鬼の首魁に突き立てた剣を、さらにえぐりこませて、苦しみもがく様をじっくりと堪能した。
「この剣のすさまじさ、『神君』のおわす地獄への土産話としてよろこばしかろうぞ」
「鬼畜──」
オーガは言い終わることなく、たちまち爆発四散!
爆炎を浴びてもなお何事もなかったように憮然として立つ男に、ドッグがかけよる。
「お美事にございます、殿……」
「たわけ」
男は一喝、ドッグはおびえ、尻尾を股に隠して平伏。
「しょせんは刃の錆にもならぬ畜生どもよ、どれだけ斬ろうといったい何の勲にやなる」
そしてドッグの背後に控えるバードとエイプに向かい、だが顔は天をあおいで。
「余のもっとも悔恨なるは、この剣で、あの『神君』の首を落とせなんだこと。きゃっつの驚きと苦しみにゆがむその首をこそ、目前で見たかったのだ。それを、おのれ、せめてあと半年早かったら──」
その男──かつて信繁と呼ばれ、死のまぎわにあってリトル・ローニン・モモタロー・ニンジャの憑依せらるる異能者は、徳川呪殺の魔剣・ムラマサブレードを天に突き立て、涙を目ににじませるのであった。
「徳川死すべし。幕府滅ぶべし。徳川の与力どもいっさい斃れるべし。慈悲はない」
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