聖者来たりて上下大小あまねく人士に教へたり
その数はほむべきかなたたふべきかな
初めに一と称してこの世にてあることなるを顕し証したり
次に二と称してこの世にて次なるを顕し証したり
ここにおいて聖者愚者となりて叫ぶらくは
初めの一と次の二を合はせてしかも次たる三なりき
これこそ聖にして愚の数とぞ
もしおそれおほくば余の名をもって呼べよ
上下大小あまねく人士これを跪きて拝みて呼ぶは
聖愚数とぞ
しかるに三の次四その次五その次六にて
聖者また愚者となりて叫ぶらくは
聖愚の数を合はせたるものなるとぞ
聖愚の数を合はせたるもまた聖にして愚なりとぞ
上下大小あまねく人士これを跪きて拝みで呼ぶは
聖愚数とぞ
しかるに九十二の次十三にて
聖者また愚者となりて叫ぶらくは
聖愚の数を与はるるものなるとぞ
聖愚の数を与はるるもまた聖にして愚なりとぞ
上下大小あまねく人士これを跪きて拝みて呼ぶは
聖愚数とぞ
しかるに十五十八二十一二十三二十四二十七三十にて愚なるはさらに
三九まで十の愚をば叫ぶこそ愚の極みなり
愚の極まるはすなはち聖の極まるとぞ
上下大小あまねく人士これを跪きて拝みて呼ぶは
極聖極愚数とぞ
たちまち上下大小あまねく人士至極快楽の境地に達しけりとぞ
聖者かく語りきをば現今の衆庶聞きてさいはひなること限りなし