ガチでおもろい新書シリーズ。いや、これはほんと、今までの認識が完全にひっくりかえるというか。
とにかく隙あらば手を抜いて役得したがる連中ばっかで、朝廷の儀式(参加必須)をサボったり、毎日の勤務を仮病でズル休みしたり、任地先で平気で横領したりするさまは、まさにリアル人間性の輝きで、オリジナル笑顔になってしまうという……。
「古き善き日本」にとってはあまりにも不都合すぎる事実。
いや「体制権力の暴力が支配する奴隷社会日本」にとっても不都合な事実と言えるのかもしれない。
こういう古代のダメすぎるところを見てると、近代の勤労精神とか、遵法精神とか、そういうのは自然じゃなくて長い年月をかけて人工的に教育されたものなんだろうなーと思った次第。
なんで朝廷の軍団が弱くなって、家業で戦争する一家が出てきたのか不思議だったけれども、こんな忠誠心どころか遵法精神すらロクにない連中で軍をつくったところで、上も下もユルユルになっていくしかないよなーと。
朝廷の業務やら荘園の管理やら、何でもかんでも家業になってしまう。
「なんで朝廷の業務が特定の家だけの特権になっちゃうの!」
「蔵人とか関白とか、勝手に律令にない官職作って側近政治やっちゃっていいの!?」
「北面の武士とか勝手に私兵入れんといてください!」
みたいなこと思ってたんですけど、肝心の官僚連中がこの体たらくじゃ、信頼できる身内で回していくしかねーわ、ってなるよねぇ……。
それに対して中国さんはやっぱ強いわーと。
人間の内部からは儒教の礼、外部からは律令の律でシバキアゲられてるから、人間を皇帝や朝廷の手足にしていけるんだろうなぁ……。