トラベラー世界とか銀英伝とかF91とか、最近だとアルドノアゼロみたいな未来世界なのに貴族制の設定って以前はあり得ないご都合主義と思ってたけど、最近なんか現実にそうなりそうな気がしてきたな— ないさろーる (@nysalor) October 15, 2021

王侯貴族は、あたかも世界の始原からその貴種があったかのように伝承されるものであるが、史実はもちろん、「アダムが耕しイブが紡いだとき、誰が領主であったか」の名句その通りである。

古代ローマが、王政を打倒して共和制になったというのに、王よりもさらに強力なる皇帝を出現させ、かつて王政を復古させるかのように、いやそれ以上に帝政をほしいままにさせたことは、民主主義が王をつくることの一つの状況証拠になるだろう。

わが国でも、「あずまびと」が京から流れてきた貴人と癒着するのを経て、まるで京の公家衆に匹敵するような(ともすれば凌駕するような)あたらしい貴族を続々誕生させたことを見れば、貴種は捏造されるものだとも言えるのではないか。

ならば、現代から未来にかけて、自由主義と民主主義にあるわれらが、あたらしい王侯貴族を出生させることは可能であるか、という問いには、しかり、しかりと答えるよりほかあるまい。

それはつまり、人民の平等で自由な選択こそが王と貴種を産むという致命的な逆説そのものである。

そう、宇宙の時代にすらも君主政、貴族政はあるのだと──。